英国IFA認定PEOTアロマセラピストが紹介する精油のプロフィール
Cymbopogon martinii(パルマローザ)
乾燥などのスキントラブルが気になる季節の変わり目に大活躍してくれるパルマローザ。
一般的には「バラの香りがする」とされていますが、真っ先にその香りを認識される方は少ないように思います。パルマローザにはバラの香りのするゲラニオールの他、フルーツの香りのする酢酸ゲラニル、レモンの香りのするシトラールなどが含まれているためそのどこを感じ取るかで、香りの印象に個人差が出てくるのではないでしょうか? 私個人は体調によって、酸味・かろやかな蜂蜜のようなほんのちょっぴりの甘み・微かな花の香り等々、
その時々で香りの印象が変わり、その複雑さを好ましく感じる香りだったりします。
殺菌作用にすぐれ肌を清潔に保つことや、抗炎症作用・皮膚弾力回復作用があることから、スキンケアによく用いられます。肌質を選ばないのも嬉しいところ。単独使用もいいですが、皮脂バランスを整えるゼラニウムやラベンダーとブレンドすると、香りに軽やかさと複雑さが加わってより心地よさがアップします。アロマ香水づくりで香りのバランスが取れない時などにも重宝するエッセンシャルオイルです。
そしてパルマローザのエピソードとしてよく出てくるのは「偽和」。
ゲラニオールを含むことから、ローズやゼラニウムの偽和によく使われてきたことは有名ですが、そのパルマローザ自体も偽和されていることがあるそう。いわゆる「バラの香り」がするパルマローザはモティア種ですが、ジンジャーグラスと呼ばれ収穫しやすいソフィア種をブレンドして販売していることもあるとか。購入の際には気をつけたいものです。
<Chamomilla’s recipe>
ドライスキンによるかゆみや痛み・・・
クライアントのためのレシピ。ローズマリーとラベンダーを使って、
さっぱりとした香りにしてほしいというご希望でご提案したブレンドです。
化粧水やローションで用いますが、リフレッシュスプレーにしても楽しめます。
Cymbopogon martinii(パルマローザ)
+ ローズマリー( Rosmarinus officinalis)
+ ラベンダーアングスティフォリア( Lavandula angustifolia )
+ フランキンセンス( Boswellia carterii )
ストレスが強く力を抜くことができない時に・・・
ドライスキンのケアとしても使えるブレンド。
重くなりがちなオリエンタルの香りに軽やかさを。
Cymbopogon martinii(パルマローザ)
+ アニスシード( Pimpinella anisum )+ジャスミンabs Jasminum officinale
<プロフィール>
学 名 : Cymbopogon martinii
和 名 : パルマロサグラス
科 名 : イネ科オガルカヤ属
主 産 地: インド・ジャワ・スリランカ・ネパール
抽出部位: 葉
抽出方法: 水蒸気蒸留法
ノート : ミドルノート
主要化学成分: ゲラニオール(モノテルペンアルコール類)、
リナロール(モノテルペンアルコール類)
酢酸ゲラニル(エステル類)、シトロネラール(アルデヒド類)、
ゲラニアール(アルデヒド類)
注意事項:幼児は1%以下の濃度で使用。敏感肌の方は濃度に注意。妊娠中。
<学名について追記>
一般的な表記は Cymbopogon martinii
参考までにモティア種の表記は Cymbopogon martinii var.motia 、
ソフィア種の表記は Cymbopogon martinii var.sofia となります。
APG分類体系(APG Ⅲ)では
Cymbopogon martinii (Roxb.)W.Wason の表記に。
ちなみに精油の安全性ガイド第2版では下記で表記されています。
Cymbopogon martinii Roxb var. martinii
Cymbopogon martinii Roxb var. motia
※このページはあくまで情報提供を目的としています。
※アロマセラピーは医療に変わるものではなく、またあくまで「自己責任」で行うものであり、使用に関して、個人によって控えるべきもの(体調・年齢・既往歴・アレルギーの有無など様々な理由によります)があることを予めご承知おきください。
※無断転載を禁止します。
※写真は山梨県にて撮影。
(2020年3月改訂)
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