まだまだ先が見えない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ですが、様々な情報が飛び交う中、ちょっと気になったのが「エビデンス」という言葉。
「エビデンスはあるの!?」と少々ヒステリック気味になったり、「〇〇にはエビデンスがあります」と謳ってここぞとばかりに商売っ気を出したり。エビデンスという言葉だけが大活躍しているような印象があります。エビデンスとは「科学的根拠」を示す言葉。1991年にカナダの臨床疫学者、ゴードン・ガイアットが提唱した「科学的根拠に基づく医療(EBM)」の中で示されたもので、信頼性の度合によってレベルがあります。レベル4で考えると「エビデンスあるじゃん!」となりますが、ウイルスが新型である以上、高いレベルでのエビデンスは「ない」というのが正しい、ということになります。
よって、アロマセラピーに関してはいくつかの団体が表明している通り「エビデンスはありません」というのが正しい。ですので、エッセンシャルオイルがあれば大丈夫!などと言っている所は疑って然るべき。言い切っちゃえば大丈夫!的な? そんな感じでアロマを勧めること、本当に辞めてほしいです。とはいえアロマセラピーには何もできないかといえばそうではありません。抗ウイルス作用があるエッセンシャルオイルをセルフケアに取り入れることが予防に繋がる可能性もあります。そして何より心地よい香りを使うことはストレス軽減につながります。免疫力を低下させないためにもストレスケアは今できる対策のひとつですよね。不安な毎日が続きますが、できることをしっかりと実践していきたいものです。
※ エッセンシャルオイル(精油)は、年齢や体質によって合わないものもあります。
また皮膚刺激を起こすものもありますので、絶対に原液では使用しないようにし、
適切な濃度に希釈してご利用ください。飲用は薄めたものでも絶対NGです。
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下記、エビデンスレベルを参考まで。
<レベル1> 無作為比較試験
研究対象者をランダムに2つのグループに分け、一方に研究しようとしている
治療を行い、もう片方に違う治療法を行なって、一定期間後に治療効果などを
比較して効果を検証する方法。治療法以外の要素と条件は全て同じにする。
<レベル2> 観察研究
病気を発症する原因に近づいた集団と近づいてない集団のそれぞれを
一定期間追跡して病気の発症率を比較するもの。
レベル1と比べると信頼性は劣るものの長いスパンで見ることができる。
<レベル3> 症例対照研究
患者と健康な人とを比較するもの。病気の原因と推測されるものと
発症の因果関係までは掴むことはできない。
<レベル4> 症例報告
「臨床現場でこんな症例がありました」という報告
専門家の意見・コンセンサスはレベル4よりも低い信頼度になるようです。
参考図書 および WEBサイト:
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