蝋梅(ロウバイ)が美しい季節になりました。ロウバイは心地よい香りを放つことでも知られていますが、みなさんは香りを体験してみたことはありますか?
先日横浜市にある「四季の森公園」に散歩に出かけた時にとても綺麗なロウバイを見つけたので香りをかいでみたのですが、以前確認した時の香りとは違うことに気がつきました。ロウバイといえば、柔らかく奥の方にほんのちょっぴりだけすっきり感のある香りだった記憶があるのですが、今回確認できた香りはジャスミンやイランイランのような香り。記憶違いなのか種類によって違うのか気になったので少し調べてみました。
蝋梅(蠟梅)はロウバイ科ロウバイ属の落葉低木。
中国原産で日本へは江戸時代の初期に渡来したものとのこと。名前の由来については、花が蝋細工のようだから、蠟月(旧暦の12月)に開花するから等々諸説あり。また、花の形や色づき方は様々で、ざっと調べたところ下記の種類があることが判りました。
中国産ロウバイ Chimonanthus praecox
内側の花弁が茶褐色でやや小さい花
和蝋梅(ワロウバイ) Chimonanthus praecox
蝋梅(ロウバイ)の基本種。花の中心は暗い赤紫色。花弁は細め 。
シソンロウバイ(素心蝋梅) Chimonanthus praecox f.concolor
花は全てが黄色。
マンゲツロウバイ(満月蝋梅)Chimonanthus praecox ‘Mangetsu’
花は大きめで丸みがあり内側は淡い暗紅紫色。
早咲きで濃く澄んだ黄花。ソシンロウバイの実生から選抜。
トウロウバイ(唐蝋梅) Chimonanthus praecox var.grandiflorus
花は大きく花の内側は暗紅紫色
カカバイ Chimonanthus praecox form.intermedius
ロウバイとトウロウバイの中間
アメリカロウバイ Chimonanthus praecox f.concolor
別名クロハナロウバイ。花は暗褐色。
肝心の香りについてですが、WEB上の無料閲覧では抄録までしか辿り着けず。
とはいえ、生の花と乾燥した花を比べたもの、コンクリートから水蒸気蒸留したものの研究等々があることが判りました。また日本産ロウバイの研究論文もあるらしいとのこと。細かいことは全くわからずじまいでしたが、断片的に知り得たことを整理すると・・・
・ロウバイ=ジャスミン様の芳醇な香り。
・ソシンロウバイ=ヒヤシンス様。さわやかなグリーンノート。
・トウロウバイ=精油成分インドールを含む。
・スイートフローラルとシトラスをあわせたような優雅な香り成分を含む。
多くのサイトにシネオール・リナロール・ボルネオールを含む、という表記をみつけましたが、種類や抽出法によって香りは異なるのでもう少し詳しいことを知りたいところ。時間をかけてリサーチしてみたいと思います。とはいえ、私が以前体験した香りはソシンロウバイ、今回四季の森公園で体験したものは原種(?)のロウバイであったことが推察できました。開花したところをチェックしていないので少々あやふやだったりはしますが(赤い部分が透けて見えるような気はしますが)、香りに関しては少なくとも記憶違いではなく、種類が違ったようです。
ちなみに中国では、蝋梅の花蕾は薬用に使用されるとのこと(生薬名:蠟梅花)。
その場合はロウバイとソシンロウバイは区別されることなく一緒に使うようです。1月中旬のつぼみを採取し、乾燥後のものを煎じて鎮咳・解熱のために、 火傷に使う場合には冷浸油で利用するとのこと(20〜30gのつぼみ+胡麻油200ml)。つぼみはそのままで取り出さないそうです。
今、あちこちでロウバイの花を楽しむことができます。
この時期だけの心地よい香り、みなさんも体験してみてはいかがでしょうか?
(2019年1月記)
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